いろは書く子をあえなくも   ちりぬる命ぜひもなや・・・・・・                剣と死出の山をこえ   あさき夢見し心地して・・・・・・

2008年10月15日水曜日

怪談


俺は怪談は好きだけどホラーや心霊は嫌いだ。
怪談もホラーも心霊も同じじゃん、と思うかもしれないが大分違う。何がと言えばそれは演出方法が違う。ホラーや心霊は怖がらせたり驚かせたりする方法が気持悪い映像や音が中心となる。だから観た人全員が受けるタイミングも映像も同じだ。それに対して怪談は話を聞くだけなので受け手の想像力によってどこをどう感じたかなど全く違うものになる。怖いと感じる人もいればちょっと悲しく感じたり、笑っちゃう人もいるかもしれない。
そこで怪談と言えば、やっぱり稲川淳二である。
「稲川淳二」ときくだけで「あ〜、怖いのとか無理!」という人がいるが、怪談は『怖いもの』なんて言葉でくくれるものではない。だって、聴いたものを自分がどんな想像するかなんてわからないのだから。
稲川淳二の話で「生き人形」という話がある。長い話で最初から最後まで2時間くらいかかる話である。俺はこの話を聴き終えたとき、怖いとかそういう感情は湧かなかった。面白い小説を一気に読み終えたときの、感動して余韻に浸るのと似たような感覚だろうか。
感動したんだと思う。
適当な映画や小説を軽く上回る、聴いている人の想像をかきたてる喋り方ができる淳二はやっぱりすごい。

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