いろは書く子をあえなくも   ちりぬる命ぜひもなや・・・・・・                剣と死出の山をこえ   あさき夢見し心地して・・・・・・

2007年11月3日土曜日

黒龍の柩 北方謙三

『黒龍の柩』は北方謙三のハードボイルド歴史小説である。新撰組副長土方歳三が、否応なく時代の流れに飲み込まれてゆく新撰組の進む道に苦悩し葛藤するさまを描く。2001年(平成13年)1月1日から2002年(平成14年)4月30日まで「毎日新聞」朝刊に連載され、文庫は上・下巻で2005年(平成17年)10月15日幻冬舎文庫から発行された。
元治元年6月5日(1864年7月8日)の池田屋事件から、明治2年5月11日(1869年6月20日)箱館戦争で土方歳三が戦死するまでが描かれている。

《上巻のストーリー》
池田屋事件を境に新撰組の名が世間に認められていくなか、土方歳三は新撰組を人斬りの集団にしてはならないと思い悩む。そんな土方の想いをわかっていたのは山南敬助だけであった。山南は勝海舟と出会い、勝海舟の中に土方が進むべき道が隠されていると感じる。不治の病を患っていた山南は命を懸けて勝の中にあるものを摑もうとする。そして脱走する前日、山南は勝自身ですら気付いていない勝海舟の根底にある想いを土方に語る。それは夢物語のような新国家構想であった。

山南の想いを受け継いだ土方は人を斬ることでしか前に進めない自分と新撰組に苦悩しながらも、勝海舟・小栗忠順・坂本竜馬・榎本武揚らと出会いその夢の破片を集めてゆく。そして彼らの中にあるひとつの統一した意識を見つけ出す。それは、内戦の回避・・・「不戦」というものだった。そして、薩長同盟・大政奉還を実現した坂本竜馬から土方が予想すらしていなかった驚くべき計画が語られる。

土方はその果てしない夢に新撰組の進む道を重ね合わせてゆく。そしてまた同じように新撰組のありようを考え続けてきた近藤勇と訣別していくのであった。
(下巻に続く)

 『黒龍の柩』は私が好きな小説のひとつです。上巻は、諸説いろいろありますが土方と山南が仲が良かったという設定はたまりません。それについては、NHK大河ドラマ『新選組!』の「友の死」も涙なくては見れませんねw
下巻は、土方が怒涛の如く夢に向かって突き進んでいくので読み出したら止まらなくなります。ですので紹介は上巻だけでいいかなーなんて考えてますw

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